ご老人が銀座で画廊を探していた
以前、会社の友人とランチの後会社に戻るため、銀座外堀通りを歩いていた際、手に葉書を持ち、迷っていらっしゃるご様子の老夫婦を見かけた。
とても焦っておられた様子だったので、どこかをお探しですかと尋ねると、画廊を探しているとのこと。
見ると、その地図の住所は確かにその辺りであるにもかかわらず、住所を確認してもその建物に入る入り口が分かりにくく、なかなか見つからない。
こちらも昼休みも終わろうとしており、私たちも焦りだした。毎日通っている場所なのに、その画廊がどこにあるか、まったくわからない。。
心に残る言葉
そして20分はたっただろうか、
小さな入り口の、さらに階段を上がった奥にあるその画廊をようやく探し出せた。
そのご老人は、その腰を深く折りとても丁寧に、
「本当に本当にありがとう、お忙しいところを自分のために感謝します。今日が最後の展示日で、今日しかなかった。間に合って良かった。あなた方にはもう会えないと思います。ですから、このご恩は、他の人への親切でお返ししたいと思います」。とおっしゃった。
感謝の言葉からの、「受けた恩を他の人への親切で返したい」の言葉には、友人ととても感動して思わず涙がでてしまった。
受けた恩は人に返します。
このご老人のような言葉を与えられるような年のとり方をしたい。正しい生き方を教えて頂いたような、何年もたった今でも心に残る一言だった。